元気良く『5月!』と書いてみたものの、特に何がある訳では御座いません。
本日は、過去に某バンドのHPで書いていたコラムを転載しようかと思います。
理由は、特に何がある訳では御座いませんからです。
タイトルは【咀嚼音】です。どうぞ。
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咀嚼(そしゃく) … 口の中で食べ物をよくかみ砕き、味わうこと。
私は咀嚼音が苦手だ。嫌いなものワースト10を挙げるとしたら上位にランクするレベルで苦手だ。
もちろん、普通に食べていて鳴ってしまうのは当たり前だし仕方がない。一切無音で食べるなんて不可能な話だし、そこまで神経質ではない。いわゆる、クチャクチャと豪快に音を立てて食べる人が苦手なのだ。
ある日、家の近くの某牛丼チェーン・松○に立ち寄った。私は一人席に腰掛け、大人しく小腹を満たしていた訳だが、しばらくして左隣からクチャクチャクチャクチャ…と聞こえてきた。
殆ど外食という食生活を送っている私だが、気付けば今まで余り咀嚼ッカーと巡り合った事がなかった。
遂に来たか、と思った。一度気になりだすと、もう駄目である。
神経は耳に集中し、何故か聞き耳を立てている自分…。「全くもう…」と思いながら音のする方に目をやった。
見た目は普通の中年男性といった感じ。肌つやは良く、血色も良い。健康状態は良好な様に見える。
そんな事はどうでも良い。椅子に浅く腰掛け、≪クイズ100人に聞きました≫黄金期の関口宏を思わせる程にがっちりテーブルに片肘を突き、鯉の様に口を縦に大きくパクパクさせてハッシュド的な物を戴いている。
…何故だ。
そのハッシュド何チャラは豪快に咀嚼する事により空気と接触、旨味成分が増す様にでも出来ているのか。
それとも『こんな体勢で豪快にハッシュドを喰っている俺…ワイルド!』とでも思っているのだろうか。
その中年男性は、ハッシュド的な物を大リーグの4番バッターがホームランを狙ってる時のガムの如く豪快に平らげた。しかし、その某牛丼チェーン・○屋には何でもかんでも味噌汁を付属させてしまう習性がある。
故に、完全洋食だと思われるハッシュドグルメ的な物にも、もちろんミソスープが付いて来る。
「まさか…」とは思ったのだが、その中年男性は案の定…『ズバー!ピチャクチャ。。ズバー!』
と、豪快にも程があるくらい音を立てながらmiso soupを完食した。
絶対に音を立ててはいけない…なんて神経質になる必要は全くないと思うし、私も普段はそんな事は全く気にしないのだけど、限度という物があると思う。
こんな事を言っている私も、他人から見れば棚に上げている事が沢山あるんだろう。
その基準はあくまで本人次第。難しい問題だ。
ともかく、その中年男性が店を出た後も、可笑しくなってしまって半笑いで食事をしていた私。
機から見ればとてつもなく怪しい奴だったに違いない。
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本日は、これにて。